私は誰かの知識によってできている

自分の知識は誰かの知識や情報の集積体に過ぎず、そこに個はあるのだろうか?っという体でダラダラ書く

アフガニスタンの今後について思うこと

米軍が完全撤退したことで20年もの長期に渡る作戦が終了した。
イラクとは違いアフガニスタン軍は実戦において機能不全をきたし、タリバン勢力は全土を掌握することができた。
進撃の速さに対して撤退作業が追いつかず、多数のアフガニスタン協力者と外国人が取り残されることとなった。
2000人以上の米兵が戦死したにも関わらず、最後に纏まって戦死した13人の方がクローズアップされている不思議な光景が展開されている。
20年前に置き忘れてきた敗戦という荷物を今になって受け取り、狼狽していることが伝わってきた。
今後、アフガニスタンでは外国人狩りが行われ、人質として扱われることもあれば見せしめとして公開処刑となるだろう。
彼らにとって見れば仲間以外は敵であり、利用できる材料程度でしかない。
アフガニスタン協力者は歴史から消し去るように見えないところで処刑されるだろう。
当然女性の人権はなく、家畜と同等に扱われることとなる。
部族社会に対していきなり近代的な民主主義と人権を教えることに無理があった。
段階を踏んだ教育が必要であったが、20年では短すぎた。
また米軍が撤退に際してアフガニスタン軍に残すはずだった兵器類は軍が機能しないことによってタリバンに渡ったため米軍の兵器類を吸収し強力な勢力となった。

spioenkopjp.blogspot.com

 

seiryuu123.hatenablog.com

 

今後については以前書いたブログのとおりとなるだろう。
今はタリバンは一つの勢力として振る舞っているが、実態は複数の部族や宗派の連合体である。
米軍という共通の敵がいなくなったことで内部分裂を起こすことになるだろう。
だが今までとは違い、米軍装備を入手したことで勢力争いは過激なものとなる。
ヘリや無人航空機も取得したらしいが、運用が高額となるため周辺国に売却される可能性が高い。
よって戦闘は地上戦が主体となり、ハンビィーなどの装甲車が活躍するだろう。
中国は先手を打ってタリバンと協力関係の構築を図っている。
だが内部分裂すれば交渉先が複数となりコントロール不能となるだろう。
ウイグル自治区に対する治安悪化も懸念されるためさらなる治安部隊の投入も行われるだろう。
だが治安部隊とタリバンとの偶発的な戦闘によりアフガニスタンへの中国介入が行われれば、中国の足元をすくことにもなりかねない懸念もある。

アフガニスタンの内戦は中国以外の周辺国の情勢不安も引き起こすことが予想される。

アフガニスタンに明るい未来はなくなったが、同時に世界からの興味も失われることになる。

欧米人が戦死することがなければお茶の間を賑わせることはなくなり、内戦や理不尽な慣習によって無差別殺戮が行われても小さい報道がされる程度だろう。

世界中にある不幸のうちの一つに列挙される程度となる。

中国が面倒を見る可能性もあるが、内陸国であるし隣国にパキスタンがあるため対米の拠点としての利用価値はアフガニスタンにはない。

内戦で混乱していても中国にとっては煩わしい存在ではあるものの脅威ではない。

世界に影響力を示すことができない以上、世界から忘れられるのは致し方ないことなのかもしれない。