私は誰かの知識によってできている

自分の知識は誰かの知識や情報の集積体に過ぎず、そこに個はあるのだろうか?っという体でダラダラ書く

吉野家について思うこと

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家の近くに吉野家があるため、よく利用している。

昼時や夕方、店内は満席になるため来店人数は多い。

しかし人件費や材料費の高騰によってこういったファストフード店は過渡期を迎えている。

近所の吉野家はスイカが使えるが、端末が1台しかない。

そのためレジ会計を2回することとなる。

一つは店用レジでの会計、もう一つは端末送信用である。

小銭や手間を減らすために導入した機械なのに不便さを強いられている。

また別の店はスイカは使えず、WAONのみ対応である。

店ごとに導入している機器が違うため維持費はかえって高くついているのではないかと想像する。

商品等についてはよく考えられている。

しかし店舗運用といったマネジメントになると至らない点が多い。

日経の記事ではセルフサービス型店舗を増やすことに言及している。

以前吉野家がセルフサービス型店舗を出店し始めたときに利用したことがある。

入り口の隣にレジがあり、注文をレジにて受付する。

そして席取りをして待っていると注文番号を読み上げられる。

商品はレジまで取りに行く。

食器の返却はレジとは別にある返却台において退店との流れだ。

店員は通常店舗より1名少ない感じではある。

しかしレジ業務が過多であるため、客は入り口で団子状態となる。

まず入店してレジの上方等にあるメニュー表を客は眺める。

そしてレジにて注文と会計を行う。

また商品はレジから受け渡すためこの3タイプの客が入り口で団子となる。

完全に客の動線を考えていない店舗設計となっている。

通常の店舗運営をそのままセルフサービス型にしたといったところだ。

うどんチェーン店のようなスタイルにできなかったのか疑問になる。

客の動線は最も気にする必要のあるところだ。

どんなに厨房機器が素晴らしく、店員も熟練で多くの人を捌けたとしても、客が動いてくれないと威力を発揮しない。

吉野家の本社にいる連中が商品ことしか考えていないのを感じた。

また入り口で団子になっていることの弊害は来店人数にも影響する。

吉野家を利用する方は忙しい人が多い。

早く食べて次に行きたい人が利用する店なのだ。

入り口が混雑していたら別の店に行こうと考えるのは自然な流れになってしまう。

わざわざ並んでまで食べようとするような店ではないことを吉野家自身が理解していないのではないかと思う。

牛丼チェーン店で最も品質が高いかもしれないが、所詮はファストフード店での背くらべでしかない。

 

所詮はファストフード店という扱いにさらに拍車をかけているキャンペーンがある。

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300円払えば、毎日80円引きしてくれるキャンペーンだ。

客にとっては嬉しい話ではある。

しかし吉野家は自身の首を締めていることにもなっている。

吉野家は3社の中で品質が高いとされている。

当然品質は材料費にかかってくるわけで、人件費等の他の要素が同等ならば吉野家は一番値段が高くなる。

吉野家もそのことを気にしている。

そのため様々な手を使って安く見せようとしている。

80円引きキャンペーンもその一つである。

またsmartnewsでもクーポンを別途配っているため多種多様なクーポンがあることがわかる。

こうやって様々なクーポン等を使わせようとすると客は本来の商品値段を失念することとなる。

クーポン使用後の値段で支払いをするため、クーポンを利用しないときは割高に感じる。

本来の値段が高く感じられることとなる。

そうなると年中割引セールとなり、紳士服と同じようなことをし続けることとなる。

クーポンを使って他社より値段を安くしたとしても10円とかの世界でしかない。

10円のために他店を利用しようとか考える人はいない。

また世の中にはクーポンを使わない人がいる。

自分は80円引きキャンペーンを利用していない。

なぜなら財布に紙を増やしたくないからだ。

吉野家はたまに7杯食べると丼がもらえるキャンペーンをしている。

そのキャンペーンのためのポイントカードが通常のカードより一回り大きくしている。

そのためカード入れに入らず、紙幣入れになる。

Tポイントカードと同時に出せればまだ便利だが、別々に入っているため面倒この上ない。

80引きカードがどんなものかはわからないが使う気にもならない。

使う気にならない理由はもう一つある。

それは毎日牛丼食べるという謳い文句だ。

毎日通えよという店舗の命令に聞こえる。

週1で食べても月4回なので元は取れることは理解している。

しかしこうもあからさまに誘導されるのは気に入らない。

食事というのは選ぶ楽しみもある。

どうせ同じような店しか行かないが、それでも選ぶ自由を行使できるのは喜びだ。

しかしキャンペーンで80円引きを持っていると、行かなくては損した気分となる。

短期的に集客力は上がるだろうが、頻繁に食べていると飽きが来る。

そうなると反動で集客は減少することとなるだろう。

店舗に貼ってある80円引きの広告や店員が胸につけている広告をみて、持っていない人間は来店するたびに損した気分にもなる。

まぁ自分は吉野家が一番美味しいと思っているので頑張ってほしいと思います。

 

※値下げについて自分が考えたこと

値下げというのは需要の先食いにほかならない。

またクレジットと似たものだ。(借金と書くと別の意味になりそうなので以下クレジットと表記する)

クレジットを借りると資金が増える。

その資金で事業に投資ができるようになる。

将来投資したものがうまく行けば、クレジットを借りないときより多くの利益をあげることができる。

だが同時にクレジットは当然返済する必要がある。

うまくいった投資から生み出された利益が返済によって減少する。

しかし借りないより多くの利益を上げることから利用者がいるのだ。

この場合返済までの期限が長く、利子も低いことが双方にとって利益をもたらす。

一方値下げというのはクレジットと同様な効果を発揮する。

値下げを行うと集客力が一時的に増大する。

売上は上昇するが、利益は売上より低い水準での上昇となる。

なぜなら利益は値下げ分だけ減るからだ。

その利益を投資に回せればいいが、クレジットと違い利益は低い水準でしかない。

また値下げはクレジットの利子より高く、短期的な効果しか発揮しない。

返済は投資をする前に返済期間が来ることとなる。

値下げの場合は返済期限が短く、利子が高い。

返済期限というのは値下げ広告を発表してから、客が値下げに慣れてしまうまでの期間以降のことだ。

特に値下げに期間を設けている場合は余計に返済期限が短くなる。

利子が高いというは値下げ分だけ将来的に得る予定の利益ことだ。

総合すると値下げによって需要の先食いを行い、資金を集めることができる。

しかし資金を次の投資に回すより先に返済期限が来てしまう。

そのため投資に回して得る予定の利益分を支払いに当てることができない。

相対的に利子は高いこととなる。

値下げは企業にとって悪手だと思う。