包装についてアマゾンと日本企業の考え方の違い
よくアマゾンで買い物をしていると小さいものに大きなダンボールで包装してくる。
面積の半分以上が空のときもある。
これはアマゾンがダンボールを6個程度揃えてやりくりしていることから発生している。
一般的な日本企業であれば無駄をなくすということでさらに多くの種類のダンボールを用意し無駄削減運動をするだろう。
確かにそれによって紙の節約、運送費の削減ができるだろう。
だが一方で手間をかけたことにより人件費や工程が増える。
もう一方でコピー用紙の再生紙利用がある。
片面印刷の用紙の裏面をコピー機に入れて使うというものだ。
コピー用紙の節約をするために行われているが、一方で紙詰まり、故障の原因ともなる。
ひどい会社になるとコピー機が一台しかないためいちいち紙の入れ替えをしている企業もある。
紙の削減のために多くの人件費を費やしているのだ。
多くの日本企業ではトータルコストの概念が希薄だ。
従業員の労力はタダという概念があるためだ。
給料を払っている固定費だからこき使うという考え方だ。
しかし結果としてコストは上昇している。
紙の削減に代表されるように数値化できるコストは意識される。
だが本当に改善しなけれならないのは固定費であり、数値化できない部分なのだ。
これは人事制度にも問題がある。
社員を評価する際の指標として数値化した削減や目標を基準にした評価制度では数値化できない部分は放置される。
さらに問題なのはそういった無駄が積み重なるとそれが企業文化として定着する。
現場ではトータルコストとしてマイナスであるにも関わらずしなければならない作業がある。
先程述べたコピー用紙の入れ替えを怠ったとした場合注意を受ける。
それでも改善しなければアイツはコピー用紙の無駄遣いをしていると評価される。
仮に指摘したとして皆やっていることとかコピー用紙のコストの説明をされる。
備品のコスト上昇に対して人事部から指摘を受けたとき、説明しても社長が許さないとか言い訳されるのだ。
マネジメントやコスト意識のベクトルがズレていることから発生する問題。
結局一番金がかかるのは人手なのだ。