エースコンバット7をプレイした雑感
久々の新作だったが色々あってなかなかできずにいた。
エスコン6が自分の中ではあまりおもしろくなかったということもある。
もう一つの理由としてはエスコン4、5と傑作ストーリーの後継であるということだ。
実際にやってみて思ったのは映像が綺麗なのと実機に寄せた風や雷の影響といったものを取り入れており、へぇーと思った。
雲の中では敵機をロックオンできなかったり、ミサイルのシーカーが追いつかなかったりと今の技術だからできるものが多く盛り込まれていた。
エスコンでお馴染みの谷の合間を縫って攻撃をする際に雲と乱気流で機体制御に四苦八苦したりするという点では面白かった。
だがこういった新技術に自分の中で斜めにみてしまうところがあり、プレイしていく中で結構邪魔になることが多い。
そういった意味では自分が年を食って楽しみ方が下手だなぁと思ってしまう。
戦闘機を気軽に操縦体験したいという層には手厚くなっているし、期待に答えている。
ストーリーは後継ということもあり、今までプレイしてきた人間なら感慨深い地名や兵器、名前がたくさん出てくる。
ミッションもエスコンをプレイしている人間ならお馴染みのミッションばかりだ。
エスコン1の渓谷の谷間を縫って飛行するのは久々で感慨深いものがあった。
だが主人公の取り巻く環境がころころ変わるため、感情移入はできなかった。
普通の戦闘機部隊で働いていたら、元大統領殺しの嫌疑で懲罰部隊行きとなり過酷なミッションに挑む、そしたらエースパイロットで固められた精鋭部隊に配属となる。
一つの作品で3箇所も部隊を変えるため僚機とともに飛んでいるという感覚がほとんどない。
敵機を引きつけるダミーになっていた。
敵エースも無人機と開発元となった老人エースパイロットであり、そもそもエルジア軍にまともな人材はいないのかと言ってしまいたくなる。
好敵手というよりかは倒すのに難儀する相手になっている。
ストーリーも途中から通信が両軍とも機能しなくなったためグダる。
最後にはインディペンデント・デイ的なアメリカンな展開となり、宇宙人の代わりに無人機と戦った。
ストーリーは確かにチャッチコピー通り「願い、救い、痛み、恐怖、空はひとつにつながらない」
モヤモヤしている感覚に名前がつかないまま過ごしていた。
難易度ACE開放しモヤモヤしながらプレイしているときにふと気づいた。
このストーリー展開はエスコン3につながっている!
エスコンの歴史には断絶がある。
エスコン1からの歴史は1990年位からの歴史であり、エスコン7で2019年までの世界観がある。
一方エスコン3は近未来の2040年の物語で国家の代わりに多国籍企業体が国家の代わりにあらゆるインフラ等を提供している。
そして今回と同じ舞台であるユージア大陸にある2つの多国籍企業体が覇権争いを行う。
最後にそんな世界を壊して新しい世界を構築すると謳って蜂起した連中まで加わってくる。
主人公は両社を停戦、監視する組織に所属しているがマルチストーリーのため途中で移籍したりする。
1990年台後半から2000年前半に流行ったネットと人間の新しい可能性や新技術による近未来を描いている。
戦闘機は操縦桿ではなく、攻殻機動隊と同じように首元にセンサーを付けることで操縦できたり、インターネットに人格を移植する可能性に言及したりしている。
当時の流行りに乗って作ったのはいいがエスコンの世界がエスコン3によって既定されてしまった。
エスコン4、5とエスコン史上傑作が連発したが、6まで出したところでネタ切れをおこし方向転換した。
PSPでサイドストーリー的なものを作ったり、現実世界の国家を舞台にしてみたりと迷走していた。
これもエスコン3に歴代ストーリーを如何につなげていくかという断絶を解消するかに回答がでなかったからだ。
エスコン7単体としてみればストーリー的にはあまり面白いものではなかった。
過去作品をプレイしていなければなおのことだと思う。
とはいえエスコン3という歴代のストーリーからぶっ飛んだ離れ小島に橋をかけたという意味では評価できる作品だと思う。
仮にエスコン8があった場合、ストーリーをつなげるのは更に難儀することとなる。
国家の集合体から多国籍企業体へ変化させるのに策が必要となる。
一方のニューコムにはベルカ人が多く入り込む素地をエスコン7で作った。
エスコンの歴史では不遇を被っているベルカ人だが活躍の場は広がっている。
作者にとっても便利な存在だなぁと思った。