防災教育の最前線――「自ら考える」防災訓練の試みを読んで
防災教育の最前線――「自ら考える」防災訓練の試み / 秦康範 / 社会安全システム・災害情報 | SYNODOS -シノドス-
小中学校における防災訓練について現状の問題点についてよく書かれている。
日本人の危機管理能力の低下はこんなところから植えつけられていると読んで思った。
「おかし」という標語が先行し、実際起こったときに状況に応じた対応ができない現状が浮かび上がった。
特に驚いたのは「1階の遊び場で遊んでいたある学年の児童は、アラームを聞くや2階にある自分たちの教室に向かって駆けだした。階段を駆け上がっている頃に、ちょうど地震の揺れが到達した。」という話だ。
防災訓練ではまず机の下に隠れるというところから始まり、校庭に集まり評価を受けるという手順になっているためこのようなことが起こるのだ。
手順に従っていれば安全であるという教え方をしているため想定外の事態になった場合の対処ができないのだ。
安全に対する意識の低下、さまざまなことに対して普段から想像し想定するような考え方を身につけられていない子供が増えていることの表れでもある。
こういった教育は普段の学習では得ることができない類のものである。
防災訓練など特別なカリキュラムの中で得れることはたくさんある。
そういった機会を存分に子供に与えるためにも外部から教育に携わっていく方が多くなることが望まれると思った。