太平洋戦争の原因
毎年8月15日前にはにぎやかになる。
その中で太平洋戦争はいったい誰が原因なのかということでもめる。
ルーズベルトや東条英機、天皇や国民、軍部などいろいろでてくる。
だがリアイズム的に考えれば「仕掛けられたほうが悪い」で終わる話だ。
さすがに具合が悪いのでもう少し戦争と平和について考える。
平和は尊いものであり、戦争は悪だということを述べる方がいる。
平和は尊いということは平和には希少性があり、めったに訪れないということだ。
だとするならば当然平和というものは戦間期に過ぎないということになる。
戦争が通常であれば平和は尊いということとなるからだ。
また善悪の問題は戦争では両者が述べるものであり、立場によって正義は異なるのは戦争では常である。
現在でみればイスラム圏での正義は国や宗派によって異なるものであるし日本人にしてみれば女性に対する扱いなど彼らからは常識や正しいと思えることに対して嫌悪感や反発を覚えることもある。
このことを踏まえ戦争の原因について考える。
戦争とはクラウゼビッツ曰く『相手に自らの意思を強要すること』と定義ずけている。
また戦争は政治や外交の下におかれるものであり、戦争後の交渉によって政治的要求を相手に強要しようとするものである。
日米が戦う前提として通常の戦争とは違うものであることを初めに認識しておく必要がある。
そもそも日本は欧米と開戦して勝てるわけないと思っていたにもかかわらず戦わざるおえなかった。
その原因はアメリカからハル・ノートを突きつけられたから開戦したという話を少し学んだものは持ち出してくる。
アメリカが日本と戦いたがっていたという話は当時の世界情勢においてアメリカがナチスドイツとの参戦に国内世論が批判的であり、ルーズベルト政権内部において日本との開戦によってドイツ参戦を促すという意見があった。
だが実際日本は三国同盟を締結してはいたがそこには参戦事項はなく、日米戦が起こってもドイツは参戦するかは未定であった。
いわば一種の賭けのようなものであり、結果アメリカは対独参戦できたわけである。
アメリカにしてみれば必要事項を満たすために付属としてついてきたものに過ぎないのだ。
320万の犠牲も2発の原爆も日本中の主要都市が灰燼に帰したのもすべてアメリカが対独参戦をするための付属品である。
WW1のとき、アメリカはドイツの無制限潜水艦作戦によりアメリカ商船が撃沈されたことによって参戦した。
いまだにいわれることが少ないが太平洋戦争の原因を挙げるとすれば日本の外交の失敗、この一点に尽きる。
ドイツが破竹の快進撃を繰り広げているところに漁夫の利を得ようとして同盟締結を持ち込みアメリカと交渉材料にしようという判断自体が間違っていた。
三国同盟締結には当時日本が中国を巡って蒋介石を支援していたアメリカとの関係悪化とも関連があった。
日本はアメリカに対して譲歩し蒋介石に対する支援停止と日本に対する支援をするかわりに中国に対する門戸開放を確約することで対中戦を優位に運ぶことができると思う。
このことに批判的な方もいるだろう。
血を流したのは自分たちなのになぜ金だけを出した連中にも分け前を出す必要があるのかと。
しかし日露戦争では存亡をかけた戦いであり英米に支援された日本が必死になって戦っていた。
日中戦争も日本の対中戦略を中国側に飲ませるために存亡をかけて戦った戦いである。
ならば蒋介石を支援しているアメリカとの分断を図るのは当然である。
ミリオタの中にはドイツ好きが多いためよく隠されるが、蒋介石を支援していたのはアメリカだけではなくドイツも含まれている。
ドイツは蒋介石に対して軍事顧問団や多数の武器を支援しており、上海に日本軍が強襲上陸をかけたときはドイツ軍人のハンス・フォン・ゼークトの構築した通称ゼークトラインに苦戦した。
アメリカを批判するなら三国同盟などもっての外である。
国際社会は国益によって動いている。
戦争に勝ちたいのなら相手の国益と自国の国益を両方満たすような外交が求められる。
太平洋戦争をもし回避する方法があるのなら日中戦争の早期解決と域内における経済圏の確保、アメリカやイギリスに対する経済障壁の段階的撤廃の推進が挙げられる。
まぁ戦後にドイツと同じように自国のすばらしさをひたすら喧伝していたソビエトや北朝鮮に熱を上げていた人たちがいるのだから日本は成長していないなぁと思う。