私は誰かの知識によってできている

自分の知識は誰かの知識や情報の集積体に過ぎず、そこに個はあるのだろうか?っという体でダラダラ書く

犯罪者の更生について思う

 

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出所した人間による再犯というのは記事になりやすい。

刑務所の体制不備を指摘し、感情に訴える効果が大きいため多用される。

また法務省によれば再犯率は3割ほどである。

法務省だより あかれんが Vol.44

過去最悪というマスコミの表記はミスリードを誘っている。

「再犯者率、過去最高」のカラクリ 犯罪白書でミスリード報道相次ぐ(楊井人文) - 個人 - Yahoo!ニュース

しかし再犯率が3割あるというのは自分は高いと思っている。

そもそも刑務所において更生させるというシステム自体に問題がある。

己の罪と向き合い被害者とその家族等に申し訳ないという心境の変化を与えるために刑務所は不適当である。

刑務所は囚人から自由を奪い、規律正しい生活を営むことを強要することを通じて己の罪と向き合わせようとする。

確かに囚人側からすれば自由がないことは苦しいことである。

しかし刑務所の不自由な生活を味わうことで罪を許されたと勘違いする人もいる。

苦痛を味わったから罪と向き合ったという解釈だってできる。

また犯罪者の中には刑務所内にグループを持っている人もいる。

そういう人は他の囚人に比べて自由の幅が広がる。

また孤独であることも癒やしてくれる。

そういった環境下で果たして更生できるのかと思う。

自分は刑務所より学校のほうがよほど監獄として理想的な環境であると思う。

常に他者から監視の目に晒され、挙動を監視され、逸脱したと見做されると一斉に人格攻撃までされる環境はまさしく監獄である。

 

リベラルの風潮が犯罪者に寄り添うようになったのは、大衆に犯罪者を晒し者にして刑を執行していたことから始まる。

うる覚えであるが、昔は広場の中心で犯罪者を晒し者にしていた。

しかし見せしめにして刑を執行しても効果が薄いことがわかったらしい。

それから犯罪者に重い刑を与えるよりかは更生させる方針に切り替わった。

元々は犯罪者に形は違えど罪の重さをより感じてもらうために導入された。

しかし時代が進むにつれ、犯罪者の人権養護がエスカレートしていった。

現代日本では被害者より加害者の人権が優先される。

亡くなった方や被害にあった人々は実名報道されるが、加害者の名前は通名でもいいし、時には報道されない。

キリスト教における信者のような扱いを被害者はされる。

善き行いをするが神はさらなる試練を課す。

しかし信仰のない民は神と信者の善に浴することができる。

今の犯罪者にも同じようなことがおこっているように思う。

 

そもそも生きていて犯罪をしようと考えること自体が異常である。

偶然の重なりから犯罪者となった人は裁判で情状酌量の余地があってしかるべきだ。

しかしそうでないなら本来の法の考え方に立ち戻るべきだと思う。

法は国家の治安維持と体制の保護のためにある。

犯罪者というのは治安を乱し、権威を傷つけた忌むべき輩である。

当然納得のある方法で処罰する必要がある。

元々、法がある時点で犯罪者は見せしめにされるのだ。

逆に明確な形で処罰しなければ体制の権威に傷がつくことになる。

蓄積すれば体制の転覆という事態にもなりかねない。

古来より犯罪者の処遇が過酷であったのは体制が盤石でなかった証でもある。

しかし現代の国家はよほどのことがない限り、転覆することはない。

そのため犯罪者にやさしくなったとも言える。

とはいえ治安の悪化はコストの増大にも繋がり、財政面からの要請で犯罪率の低下等が言われている。

 

ならば罪を犯したくないという心境にさせればいい。

パノプティコン - Wikipedia」の監獄を作るのが簡単である。

囚人を孤立させ、常に監視されている状態に置くことで囚人を極限状態まで追い詰める。

その上でときたま面接官と面談を行い、己の犯した罪についてだけ話す。

目的なのは囚人の更生よりも苦痛を与えることで犯罪の抑止を心に刻みつけることにある。

二度と監獄に戻らないように心理状態を追い詰めることで再犯の余地を小さくする。

そもそも囚人が犯罪を犯すのは環境的要素が大きく、反省させ更生させるという事自体が難しい。

また犯罪者自身がそう思っていれば効果は薄い。

なぜなら環境的要素が大きければ人は誰かのせいにしたがるものである。

現状の刑務所ではぬるいのでより精神的に苦痛を与える方法であれば誰も入りたいと思わなくなる。

出所後は社会に復帰するのではなく、更生施設や程度によっては通いの施設に入る。

職業訓練等を行いながら社会を再勉強して、就職先をみつける。

仕事がなければ再犯率も高くなるのは目に見えている。

仕事を与えることまでして初めて囚人は一社会人としてなんとかスタートラインに立てると思う。

精神を追い詰める方向へ向かうため、何十年も幽閉しておく必要がない。

人は孤独でなにもない空間に長くいることはできない。

回転率も良くなり、財政面上でも有益である。

ただ一点犯罪者の人権に目をつぶればという欠点はある。

とはいえ人の人権を踏みにじったヤツの人権を養護すること自体、ずいぶんと歪んだ思考の持ち主だと思う。