私は誰かの知識によってできている

自分の知識は誰かの知識や情報の集積体に過ぎず、そこに個はあるのだろうか?っという体でダラダラ書く

ひふみ経済勉強会「平成時代を振り返り 令和時代を読み解く」に行ってきた。

123.rheos.jp

本の発売記念も兼ねている勉強会に参加した。

本もわかりやすく書かれており平成の経済を俯瞰する本として良かった。

頭が凄くいいなと思ったのは、崔さんが解説をしているときにふと周囲を見渡した。

そして私が言いたいことは2つですと簡潔に主張をまとめるところは場数を踏んでいるからもあるが、頭の回転が非常に早い方だと思った。

 

興味のもったポイントを箇条書きにて紹介する。 

 

世界経済について

リーマンショックは1920年代の大恐慌以来の金融危機であった。

その負の影響について多く指摘されている。

しかしリーマンショックにより金融機関に勤めていた人がデジタル産業へ流入した。

理工学系に強い人達が加わったことでビックデータブームや人工知能ブームができたと推測される。

経済危機は創造的破壊ももたらすので全てが悪いとは言えない。

 

中国経済の動向について

驚異的な経済成長の背景には資本主義導入と一党独裁体制が大きな要素となっている。

意思決定コストを低く抑えることで各種産業の成長を国家が主導して行うことができたため飛躍的な成長を遂げた。

しかしルイスの転換点が中国にも到来しつつあり、今後人工ボーナスはマイナスへ転化する。

だが一方で学術論文では中国学者同士での引用を積極的に行い、世界中の学術論文の集積もしている。

その結果様々な知識が蓄積と知識を活用してさらに発展をしようとしている。

このことは中国が人口規模による経済から次のステップへ行く可能性を示している。

 

日本経済について

デフレマインドが日本経済を低成長にしている原因の一つに挙げられる。

しかし前向きになれないというのはメディアが言っているだけではないか。

日本経済は変化しており、モノからことへの消費、シェアリングエコノミーへの移行等平成時代で経済の構造変化が起こった。

このため旧来の経済のみをみたメディアが騒いでいるのだと推測される。

現に平成時代において日本もさらに便利で豊かな時代となっている。

この便利さはデジタル産業が活性化したことによる恩恵ではある。

しかし日本は諸外国に比べて有形資産への投資が多く、無形資産への投資が少なかった。

また投資をしても失敗していた。

その証拠に世界のトップ10と日本のトップ10を比べた場合、30年前と現在で比較した場合、世界はほとんどが入れ替わっている。

しかし日本は2社しか入れ替わっていない。

これは必ずしも悪いことではないが、要因の一つとして小さいうちに上場することで株主等から目をつけられることで大きく成長する機会を逸しているのではないかと思われる。

米国では上場する企業数は少なく、この要因は成長する企業をM&Aによって買収する文化が根付いていることによる。

上場する前にすでに買われているため上場しないのだ。

その結果規模がどんどん大きくなる。

またデフレマインドの原因の一つに増税がある。

増税は過去に中止されているが、中止では将来への不安から節約マインドがいじされてしまう。

そのため凍結することで節約マインドの改善を図る必要があると思われる。

 

少子化と経済について

観光立国としてアジアの新興国等の中間層や富裕層がたくさんいる。

所得は日本と並ぶほどの成功を収めた人たちがたくさん日本に来るようインバウンド需要を創出する必要がある。

政府は外国人労働者も受け入れ拡大することで乗り切ろうとしている。

だが労働力低下しつつある中でイノベーションを促進するのはたやすいことではない。

何故ならたくさん人がいるからこそ、競争が促進されてイノベーションを起こすからだ。

そのためイノベーションだけではなく、人材の質的向上も図る必要がある。

崔氏自身もリカレント教育制度制定前に社会人から大学へ再入学した経緯がある。

社会人になったことで様々な疑問等が湧く、大学に行くことで新しい気持ちで勉学に励むことでステップアップができる。

 

日本企業での不祥事がおきることについて

コンプライアンスやコーポレート・ガバナンスが浸透してきた。

だが同時にスチュワードシップコードも必要とされている。

機関投資家も経営に対して遵守をしているかチェックを行う必要がある。

 

その後最近の話題であるテーマのディスカッションとなった。 

テーマ:老後の年金2000万円問題について

マスコミが今更大々的に取り上げるのはナンセンスである。

以前より金融庁iDeCoやNISAを普及させるために様々な指針を出していた。

マスコミが騒いでいるのはPV至上主義で注目を浴びるためだと思われる。(政治考慮を外したとして)

金融庁の算出に使用しているデータも年収や毎月の支出も偏ったデータであり、iDeCo等を普及させるための資料である傾向が強い。

一人ひとりキチンと考える必要がある。

 

Q&Aの時間

質問:日本で金融機関に勤めている人がリストラ等で人材の流出が想定される。

   流出した人材はどの分野にいくか。

デジタル産業へ流入しているが、今のまま成長し続けることは難しい。

今後は有形資産とかけたところに儲かりどころがある。

農業とデジタルや不動産デジタルといった保護されていた産業へデジタル波が来ると思われる。

 

私も質問する機会に恵まれたので聞いてみた。

 

質問:米中貿易戦争から新冷戦へ移行する中で和解と対立をしながら進展している。

   世界が二極化しブロック経済となる可能性があり、株を運用していくのは大変 だと思う。この状況についてどうお考えかお聞かせください。

 

回答(崔氏、藤野氏、三宅氏の3人の発言を順不同で記した)

米中貿易摩擦はかつての日米貿易摩擦が参考になる。

しかし相違点はファーウェイに対する禁輸政策であり、第二次世界大戦のドイツや日本、冷戦時代のソ連に対して行われた。

米中は同じ経済圏に組みしており禁輸が拡大することに対する影響は計り知れない。

 

投資は今後もやりにくい状況が継続される。

中国が国外のデジタル産業を締め出したことが幸いし中国国内にはファーウェイ等のデジタル企業がある。

中国は自国でOSなどのプラットフォームを作ることができ、世界に輸出ができる。

そのためブロック経済というよりかは米中どちらのデジタルプラットフォームを使うかで世界が二分されると思われる。

どのデジタルを使うかでどんな情報が手に入るかが決まってしまう。

 

米中の対立で4月に一時期融和モードとなった。

しかし和解へ至らなかったのは、中国が体制に関わる部分を緩めたり改善することができなかったことにある。

中国はソ連崩壊を教訓としている。

自国経済が上手くいかなかったときに欧米の制度や文化を取り入れたことが崩壊の原因と考えられている。

そのため米国側では中国共産党を崩壊まで考えている可能性も考慮する必要がある。

 

サプライチェーンが中国から東南アジア等へシフトすることからタイ、ベトナム、フィリピンへ出張し米中貿易戦争について企業人の考えを聞くつもり。