読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

私は誰かの知識によってできている

自分の知識は誰かの知識や情報の集積体に過ぎず、そこに個はあるのだろうか?っという体でダラダラ書く

書評 加藤朗著『現代戦争論ーポストモダンの紛争LIC』

冷戦後期から急増しいまだ隆盛を誇っているテロリズムについて書かれた入門書である。

本書では低強度紛争=LICとして米国を中心としたLIC対策の歴史をみつつ、対策とその限界をわかりやすく解説している。

情報分析と整理、情報のアウトプットが優れており1993年に出版されたが、現在でも入門書として通用する。

今は政府に叩かれ、地下暮らしをしているイスラム同胞団についても言葉だけではあるが登場してくる。

同胞団がエジプトで政権をとったとき、情報として過激なテロリスト集団の一面も持ち合わせていることが報道されたが、本書でもしっかりと踏まえられている。

特に気になった言葉が第七章にある「低強度紛争会議」で発言したシュルツ国務長官の「皮肉にもこうした新しい、とらえどころのない挑戦(引用者注・LICのこと)が広がったのは、一部にはわれわれが核や通常戦争の抑止に成功したからである」という言葉。

この言葉からアメリカの超大国としての軍事力、核攻撃能力の自信がでている。

しかし現在中国のパワーが増大していることと、アメリカの中東政策の幾たびの失敗により不安定な国際情勢が出現しつつあるという風にも解釈できる。

入門書として最適な本ではあるが、あらかじめWW2以降の世界の流れを少し理解していないとついていくのは大変である

また終章新世界秩序に向けての章では著者は地球市民意識を養うことと地球統治機構の創設等を提言して終わってしまう。

正直対策を練りすぎて頭が宇宙に飛んでしまった感を最後味わうことになるが現在のテロ対策等について気になる方は一読をお勧めする。