イラク崩壊の危機
『モースル・ダム破壊は数百万人の死者を生む危険性がある』中東TODAYの記事で米軍がオバマ大統領の命を受け、イラクに展開しているISISに対して空爆を実施しているとう記事だ。
もともとの話はイラクで突如として現れたISISが各地のイラク軍を退却に追い込みながら進撃し続け、一時期バグダット60キロ地点まで進出してきた。
その後イランの革命防衛軍の部隊がイラク救援のためバグダッド入りし、米軍もイラクに対して物資等の援助をしている。
中東で長年敵対し続けてきたイランとアメリカが共闘するという展開が起こっている。
その結果戦況はこう着状態に陥っている中でのこの話だ。
全ての原因は発足したばかりのイラク軍の士気が低いことにある。
アメリカ将校団によって訓練を受けたが、発足当時より懸念されていた士気の低さがISISとの戦闘で露呈した形となった。
またISISの装備も潤沢なものがあり、イラク軍に匹敵するという話だ。
最近の傾向としてテロリストの装備が向上し、正規軍とさほど変わらないこともあるくらいになっている組織も出現したことだ。
今までは装備等により質の圧倒的優位によってテロリストと対峙することができたが今では質の部分も均衡し始めてしまった。
ダムがISISによって占拠され、ダムが破壊された場合文字通りイラクは崩壊する。
アメリカはこの事態を阻止するために爆撃を行いなんとか押しとどめようとしている。
オバマの手法として軍事作戦は特殊部隊と爆撃により事態を改善しようとするところがある。
アメリカ世論がイラクに再出兵することに反対していることもオバマにとって爆撃を推し進める理由として挙げられる。
今のアメリカは中東で自国の兵士の血が流されることに敏感である。
第二のベトナム状態になったイラクでアメリカのできることは少ない。
爆撃の効果はどの程度あるのか不明ではあるが、爆撃だけで戦闘を終わらすことはできない。
最終的には陸軍を派遣しISISをイラクから駆逐しないかぎりこのような事態は何度も発生する。
アメリカは中東とのかかわりを再検討する必要がある。